瀰漫(びまん)性脱毛症は女性が最も発症しやすい脱毛症の一つですが、男性に多い「男性型脱毛症(AGA)」の女性版で「女性男性型脱毛症(FAGA)」とも呼ばれていて、その主な原因は加齢や生活習慣の乱れなどがあります。女性特有の薄毛の瀰漫性脱毛症は正しい対策をすることで男性の薄毛よりも改善しやすいのが特徴で、その対策を詳しく見ていきましょう。
瀰漫性脱毛症を発症する女性が増えていますが、その原因はいくつかあります。例えば加齢や「出産・経口避妊薬(ピル)」の使用が原因で髪を元気にする役割のある「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌量が減りホルモンバランスが乱れることで髪が次第に弱くなってき、放置すれば抜けてしまいます。薄毛が気になっている人にとって加齢が原因の場合はやむを得ませんが、出産・経口避妊薬(ピル)の使用は最小限にとどめるようにしたいですね。
次に「ストレス」は健康だけでなく髪にも悪影響を及ぼす恐れがありますが、そもそも私達はストレスを受けると体が硬くなりますが、これは全身の血流が悪くなっている証拠で、体の先端にある頭皮の血流は最も悪くなりやすく、育毛のために重要な酸素や栄養素が運ばれにくくなるだけなく、ストレスにより自律神経の働きが乱れるため頭皮に皮脂が分泌されやすくなります。更にストレスが原因で「ヘアサイクルの乱れ」を生じさせることもあり、本来は抜けるべきでない「成長途中の太い毛」が抜けてしまうなどの悪影響もあり、ストレスをなくすことは無理でも毎日10分だけでも自分のための時間を作ってストレスをためないようにすることは可能だと思います。
更に喫煙や睡眠不足のの習慣がある人にとって、まずは運動不足やタバコに含まれているニコチンには全身の血管を収縮する作用があり頭皮の血流も悪くなること、またニコチンをはじめとした有害物質が育毛にとって重要な栄養素を破壊してしまう作用があるため、髪にはよいことではありません。髪と健康のためにもタバコはすぐにやめること、そして運動をする習慣をつけることが好ましく、できれば毎日20分程度のウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動が好ましいのですが、例えば毎日エレベーターを使う所を階段にしてみたり、毎日車で行く所を週に何度か自転車にするだけの工夫で十分に運動になります。
そもそも瀰漫性脱毛症は最初は「髪にコシやツヤがなくなってきた」と感じ始め、次第に分け目やつむじ周囲の薄毛が広がって、最終的には男性のAGAのようにツルツルになることはなく頭皮が透けて見えるまでになるため、ここまでくる前に生活習慣の見直しや必要であれば女性用の育毛剤を使うこと、そして病院で治療を受けることも重要です。
病院は皮膚科、内科、女性の場合は婦人科でも相談できる所と、薄毛治療を専門に行っている病院も増えてきていますが、それぞれの病院の治療方法に関して違いがあり、専門病院以外では「これ以上抜け毛が増えるのをストップさせる」ための治療が行われ、2~3か月に1度の通院で1回1万円程度、専門病院では「抜け毛をストップし、新しい毛を発毛させる」ための治療が行われますが、1か月に1度の通院で2万円程度だと思っておいたほうがよいでしょう。瀰漫性脱毛症も初期の人であれば一般的な診療科でも治療は可能ですが、症状が進行した人は専門病院を受診することをおすすめします。
瀰漫性脱毛症には上記のような症状と対策がありますが「以前と比べると髪にコシがなくなってきたかな」と感じ始めた時点で生活習慣の見直しから対策を始めると症状は改善しやすいため、ぜひ今日できることから対策を開始していきましょう。