自分の髪の毛などを抜いたり折ったりしてしまう症状の事を抜毛症と呼び、これはトリコチロマニアとも呼ばれる病気で、頭髪だけでなくまつげを抜いてしまう事もあり、見た目にも大きな影響を及ぼしてしまう事が少なくありません。
実際には抜く手は利き手を利用する事が多いのですが、手の届く範囲を全て抜いてしまったり、抜き方によっては円形になっている場合もあるので、ぱっと見るだけだと円形脱毛症なのではないかと思われる場合もありますが、抜毛症だったという事も珍しくありません。
抜いてしまう毛はそれだけが一般的な毛よりも抜けやすい状態となっているわけではなく、通常しっかりと生えている毛と何ら違いはないため、きれいに抜ける事もあれば途中で切れてしまう事も多くいのですが、抜いている本人は意識して抜いているという訳ではなく、ただ何となく抜いてしまっているという事も多々あります。
抜毛癖(トリコチロマニア)の原因は人によっても違う場合もありますが、基本的にはストレスや不安ががその引き金となっている場合も多く、小学生や幼稚園児などに多くみられる症状と言われていますが、実際には大人にも発症する人がいるので、年齢や性別問わずこの症状となっている人も珍しく亡くなってきています。
また、抜く毛自体は髪の毛が一般的ですが、まつげや眉毛、さらにわき毛や陰毛などを抜いてしまう人もいるので、ぱっと見るだけではその症状が出ているかどうかわからない人も実際にはいる為、充分気をつけなければいけません。
一般的にはトリコチロマニアの症状が出ている場合は、爪を噛んだり指を吸ったり、さらにチックと呼ばれる症状が出ている場合も多く、思春期に急激にこの症状が出てしまう人もいます。
治療をする為には、精神科に行ってDSM-5を利用して検査を行い、本当にトリコチロマニアなのかどうかを明らかにする所から始め、その人の状態によってカウンセリング療法や薬物療法、行動療法などその人にあった方法を選び治療を進めて行く事になるのですが、それ程酷くない場合は周りの人がその人に対して自分で毛を抜いている事や体毛が喪失している事を指摘するだけでも改善する事も珍しくありません。
また治療法は色々とあるので、治療方法に関して質問がある場合や、分からない点がある場合、別の方法を試してみたいという希望がある場合などはそれを病院側に伝える事が重要です。
さらに現在ではN-アセチルシステイン投与する事によって抜毛癖自体が次第に改善して行ったという報告も有るので、その人の状態に合わせて適切な方法を選ぶという事が最も重要だと言っても過言ではありません。
男女比で見て行くと大体男性も女性もほぼ同じ割合の人がこの症状で悩んでいるというのが現状となっていますが、なるべく早い時点で気づく事、さらに必要な場合は精神科に行ったりして検査をしてもらう事で早期解決・改善が期待する事も可能です。
ただ前述した様に毛の抜け方によっては円形脱毛症に見えてしまう場合もある事、さらに円形脱毛症以外の脱毛症の可能性もあるので、髪の毛が抜けている、減っているからと言ってそれら全てが抜毛癖だとは限らないという事を知っておく事が重要となります。
またカウンセリングや投薬などで一度はトリコチロマニアの症状が改善した人も、何らかのストレスや不安などを感じた場合、再びその症状が出てきてしまう場合も珍しくありません。
症状が改善した後は何も気にする必要はない、もう二度と症状が出ないとは限らないので、できればストレス発散には心掛ける事と、何らかの不安を感じている場合は自分だけでそれを抱え込まないように相談する場所を予め作っておく等が重要となります。